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熊本地震 支援最終日 [おしごと]

最終日は当直明けということで午前休み。
勤め先(派遣元)への報告をつくったり、3日目分のブログを書いたり。
思いが通じたのか、昼ごはんはそばだった。
医局で現地のDr.や事務さんと、改めて地震直後の私的な状況の話や、医師の研修のあり方の話ができた。

予約なしの午後外来の患者さんは少なかった。
避難所を転々として、まいってしまっている方を診たところで、帰り支度をする時間になった。

空港で、お土産と、あまなつチューハイと、いか天と、サンドウィッチを買った。
お土産売り場の一部や、ラウンジや、一部の搭乗口が地震の影響で使えない状態ということだった。
搭乗口では、夕方だったのもあって、ビールや日本酒を飲んでいる姿がちらほら。自分も、酒解禁。
羽田行は満席とのこと。業種は違えど、緊張が解かれた方々も少なからずいらっしゃったに違いない。
なんだか涙が出てきた。酒なんか飲んじゃったからかな。充実感なんて全然ない。悔しいってわけでもない。今でも避難生活を続ける方々に申し訳ないような、でも任務を終えて安堵したような、そんなところなのだと思う。
たくさんの良心を乗せて、無事に帰りつくように、と思った。

羽田からのリムジンバスでの車中、相方、実家の親、上司、派遣にかかわる事務担当者にメールを送った。
たくさんの人が自分を心配して待っていてくれているって、ありがたいことだなぁって思った。

無事、家に到着。
相方には、自己実現のためにとは言わなかったけれど、心配かけたことをお詫びした。
上の娘は、抱き起したら、うん、うん、お帰り、お休み、だった。
下の息子は、、起きなかった。
こっちに戻ってきてから、基本は第3のビールだけど、プレ○アムモ○ツを買っておいてくれた。

この経験を踏まえて、提案できること、連携できることはやってみたい。

ただ、どうもすっきりしない。
達成感、充実感はない。たいしたことしてないから。
むしろ、山のようにある解決すべき問題に、到底太刀打ちできない、という気持ち。
病院で待っている医療では、、、かといって避難所に出向いても医療だけでできることは、、、
地元で関わり続けるわけではない、一時的な支援者は、どんな業種でも同じなんだろうなぁと思う。
年というスパンで見たときに、復興の小さな一片を担った、といえるようになるんだろう。きっと。
そもそも自分の気持ちを充足させようということ自体が間違いだと。


また(5年前のように)行かずにウジウジ後悔しているより、行ってよかったと思う。
ただ、それは周囲の人にとても心配をかけることだということがよくわかった。
あくまでも支援。「達成」するのは地元の方々なんだという心構えというか、開き直りというか、そんなところらしい、ということも、わかった。

熊本地震 支援3日目 [おしごと]

夜救急で来られた方のCTをみて、転送のお願いをした。多少は、外科医としてのスキルを発揮する機会あり。

日曜日は日中フリー、その後当直。時間的な余裕はだいぶあるとはいえ、人生初の連直。
市電に乗って、まず熊本城の周囲を歩いた。敷地内は完全に立ち入り禁止。
石垣が崩れて、その土台に乗っていた建物が雪崩のように崩れていたり、下敷きになった建物があったり。
崩落していない個所でも、石垣の石が小さくなっていたり、ずれて浮いていたり。
綿密な調査、手順を組んだうえでないととても手が付けられないことが容易に想像できる。

再び市電に乗って熊本駅を目指す。
繁華街が近づくとごく普通の日曜日の服装の方々と同乗することになる。Tシャツ、ジーンズ、運動靴、薄汚れたカバンの自分はむしろみすぼらしいくらい。
駅でお土産を発送したところでもうお昼。病院に戻ってご飯をいただくことにした。

コンビニでノンアルコールの缶チューハイと冷やし中華を調達しておいた。
わずか数日だけれど、毎食コメというのはつらいものだということが実体験されたので。
お昼ご飯をいただいた後、自室でこそっと「おやつ」を食べた。
そのあとは、当直明けモードの頭をリセットするため、まさに惰眠を貪った。

結局、自分の分担の時間には患者さんがいらっしゃらなかったので、まる1日一人も診なかったのだけれど。
報告書、提案を書いたりして、いざ眠りにつこうと思ったら眠れず、結局頭がボケッとしている月曜朝。

熊本地震 支援2日目 [おしごと]

夜、眠れはしたけれど、救急車のサイレンや、朝方掃除の物音がしたりで落ち着かない。
やばい、頭が当直明けモードかも。

今日は午前外来。
「バディ」がクリニックの支援に出たので、予約なしの10人ほどを診察。
出足がバラバラだったので、今日もゆったり対応できた。
一部ききとれない言葉があったり、知ったような口をきいて気分を害すと困ると思ったりで、相づちを打ちつつ、遮らずにお話しをきいた。
ひとしきり話した後、長々しゃべってすみませんね、ありがとうございました、と言ってその方は退室された。
噂にはきいていた「5分ひたすら傾聴したら、患者さんは自ら話を止める」ってこれのことか!と思った。
普段は早く回転させることがサービスのひとつになってしまっている。この経験を生かせるといいのだけれど。

体を休めたいのもさることながら、院内にこもりっきりになるリスクのほうが高いと考えて外出。
倒壊の恐れ、という病院は、通りからみる分には窓が割れてベニヤで塞がれたり、一部外壁が崩れたりしたようだった。見るからにあの大病院が機能停止した影響は大きそうだった。
川辺の公園へ。都市部だというのが信じられないほどきれい。橋の上からでも10cmほどの魚の姿が見えるくらい。
ベンチに座って、缶コーヒーを飲みながら妖◯ウォッチぷ◯ぷにをした。公園でスマホに向かって激しく指を動かしてる俺って、ちょっと不思議な人に見えただろうなぁ。
ブログをかきはじめた矢先、病院から呼び出しの電話。
散歩の続きを楽しむことなく、日光浴終了。

被害が大きかった地域への車上視察にも連れて行っていただいた。
市内にも塀が崩れているところ、ブルーシートがかかっているところは少なくなかったが、市の境を越えてすぐに、建物が傾き、車が押し潰されている光景が目に入った。比較的新しい建物以外は、おおむね傾いているか、地面と屋根が接しているか。
1ヶ月を経て、道路は確保した、くらい。もう一押し来たら、また道路を塞いでしまいそうな家屋がまだまだある。
ゴミ袋がたくさん並んでいたり、道路が波打っていたり、見た目はしっかり立っている建物に黄色の「要注意」が貼られていたり。
断層との位置関係が大きな違いらしい。さらに、罹災証明の発行までに時間がかかったり(住居支援は不要という人でない限り撤去工事に着手できない)、といった行政のパワーも復興に大きくかかわっているものと思われた。

その後当直。
震災がきっかけで不安が強くて頻繁に通院されている方くらいで、あとは1次救急レベルが数人。落ち着いていた。

熊本地震 支援初日 [おしごと]

今日は午後からのシフト。
午前中に前任の医師と交代で部屋をあてがわれた。
…ホコリっぽい。1ヶ月掃除してないのでは…
換気して、掃除機借りて、まず住めるようにした。
医局で頼めば掃除機貸してくれるって申し送りに書き足しておこう。

スケジュール的には結構暇をもて余した。
患者数が落ち着いてきて、求められる業務量が減っているのだろう。実際、6月からは1クール4人が2人に減るそうだ。

午後、外来・救急の診察。
ごく一般的な発熱のほか、避難先の他県から戻られた方、やっと少し落ち着いたところで久しぶりに通院されてきた方、他県から支援に来て具合が悪くなってしまった方。
ゆっくりお話しをうかがう余裕があり、かつその時間を常勤医ではなく我々が請け負うことができて、少しはお役にたてている気がした。

熊本地震 現地入り [おしごと]

羽田。
お土産買ってったほうがいいんだろうか。
今日はオリエンテーションだけとわかっているのに、緊張のあまりビールを飲みたいと思わない。

熊本行きの飛行機は比較的すいていた。
高度が下がってくると、ブルーシートに覆われた家が多数目に入る。
市内に向かうバスの車窓から、がんばろう熊本、支援ありがとう、というメッセージ、グランメッセ前を通過するときはテントが見えた。
やばい、俺、津波の映像とか直視できないんだった、ということにいまさら気づく。

病院着。医師以外の職種は1週間サイクル、医師は2~4日サイクルという事情で、医師だけでのオリエンテーション、業務の割り振りということだった。
前震では大きなかわりはなかったが、本震でライフラインに支障が出たり、周辺医療機関が機能しなくなったり、片付けてもしかたない、家に帰ってもしかたない、という状態になったのだという。
常勤スタッフが予約外来と入院患者に専念できるように、支援スタッフが予約外と救急をみる。
支援スタッフは午前・午後・当直がひとつおきになるように配置。
でも自分は例外で土日連直だった。全然眠れない当直というわけでもなさそうだから、よしとした。
救急の受け入れは現在でも平時の2倍程度ということだが、揺れもおおむね収まり、急性期も乗りきったところで、常勤の皆さんに見てとれるほどの疲労がにじんでいるということはなかった。
それもそうだけれど、医局事務さんが2日ごとに受け入れのために21時ごろまで残っていなければならないことが気になった。

その日は病院の近所の方のお宅に泊めていただいた。
その方も、面倒見がいいとはいえ2日ごとに人が泊まりに来る生活が1ヶ月も続くのは大変だなぁと、後になって気づいた。
そして、1日でも院外に泊めていただけたことを後になって感謝することになる。

熊本地震 派遣前 [おしごと]

熊本に、関連の現地医療機関の支援に行くことになった。
宮城の支援の時に手を挙げなかった自分が情けなくて、今回は、機会があればと申し出ていた。
勤め先の全国的なネットワークを「利用」すれば、ある程度会社任せで行ける環境にあるのだということに気づいたりして。

当初、関東には支援要請はなかったようだが、長期化のため全国に拡大し、自分にも声がかかった。
妻には話してあった。
日程的に娘の運動会が重なったため、2日がかりで理解を得た。
そういう事情のなかった息子には事後報告的になってしまったが。

いざ派遣の日が近づいてくると、手を挙げはしたけれど声がかからなかった、が気持ちの上で一番楽だったのかな、などと思ってみたりして。
東日本の時のように、自らが家の片づけをしたり、買い物に困ったり、偶然に家族が近くにいない心細さがあったり、原発事故があったりということはないけれど、地震直後のたびたびの余震や、回を重ねるうちに緊急地震速報よりも眠気がまさってきたこと、地震なのか自分が揺れている気がするだけなのかよくわからなくなってきたことには、今回も遭遇するかもしれない。
1か月ほどの間、支援者のけがといった話はきかないけれど、大きい余震が再来する可能性はゼロではない。

いまさら、ここ数日は子どもが寝る時間に合わせて一緒に寝たりして。

早いもので12年目、駆け出しどころか中堅の域に入った自分ではあるけれど、子どももお年寄りも診ているけれど、今、外科医が行ってどれほどお役にたてるだろうか。
果たして方言が聞き取れるんだろうか。
心の不調を訴える方の話をしっかり聞いてあげられるだろうか。

こういう心理状態も含め、一つの経験ととらえることもできる。
でも、自分の思いを支えてくれる家族、自分自身のストレスは想像以上だった。
たまたま、とか言ってお守りを買ってきてくれたけど、全然たまたまとは思えない。
あぁ、「自己実現」のためにまた家族に心配かけちゃったなぁ・・・。
職場のみなさんも心配してくれてるけど。

支援者の心得でもあるわけだけれど、しっかり体調管理する。
命懸けない。二次災害は不幸を増幅するのだもの。
で、現地スタッフの負担を少しでも軽減できるように、自分の持てる力を発揮する。
なんだかなぁと思うけれど、それが現実的な目標。

オーベン終了 [おしごと]

カンファレンスを終えてそれぞれ持ち場に消えていくところ、呼び止められた。
「今後外部に研修に出るにあたって大変でしょうし、半年という区切りだから、後期研修医のオーベンはこれで終わり、お疲れさま」と。
事前の面接・打診などなく、スタッフみんなの前でもなく、自分個人に、(自分としては)唐突に。
彼女が抑うつ的になっているこのごろ、体よくクビになったな、そしてこれは職務命令だ、と即座に思った。

考えてみると問題点が出てくる出てくる。
今までは頼まれなくてもカルテチェックして、画像やオーダーのチェックして、方針の相談、修正をしてたけど、半人前の医療レベルをだれが保証する?
今まで医局事務からワンクッションおいて彼女に当直やらを打診してたのはどうする?
外科の中で領域を絞って教育するにしても、どんなふうに?
俺にこそっと「あんたクビ(被害妄想込み)」って言ったけど、外科のスタッフに限らず、医局事務も、病棟看護師も、手術室看護師も俺のことをオーベンだと思ってるのを、どう修正する?
っていうか本人はこのこと知ってるわけ??


業務を軽減するかとか、少し前から話したいことはあったので、時間があいたタイミングで「面談」した。
普段は叱ってばかりだけど、今回は聞き役にまわる、否定的な話はしない、というスタンスで。
のっけから「センセーって言い方きついですよね」と言われ、「前も言ったけどそれはよーくわかってるから」と返すところから始まり。
それでも、厳しさと優しさの使い分けは、多少はわかってもらっているつもり。
その場でいきなり受け持ち患者数や疾患などの制限について具体的な条件を引き出すことはできないし、現実に自分に与えられた権限は限られるから、つらい時にはつらいって言うんだよ、って言うにとどまらざるをえないけど。
でもまぁ、彼女自身のこと、家族のこと、あの先生にこう言われたけど私はどうすればいいのか、など、いろいろききだすことはできた。


で、医局事務とのワンクッションになっていたことは認識されていなかったようだが。
今後の検査や治療の方針は基本的に自分で考えて、必要であれば回診とかでアドバイスをもらうっていう形に変えていく?ってきいたら、
「それでもいいと思いますか?」とか「それってセンセー(筆者のこと)がしてくれるんじゃないんですか?」とか。
・・・やっぱり本人には「俺はクビにしたよ~」って言ってないんじゃん・・・。
「自分でがんばってみます」という結論になったのでホッとはしたけど。もしまだ面倒見てくれって言われてしまったら職務命令に従えないことになるから。


人心をつかめない上司と、覚えがいいとはいえない部下との間に挟まれるのはなかなかつらいなぁ。
初期研修の間は1~3か月ごとにお客さん扱いされて、特段の注意をされなかったのかもしれないけれど、
ここでは、社会人として、医者として、必要だからいろんなことにつっこまれるんだ、と解釈してほしいな。
(遅刻するな、書類は遅滞なく出せ、高Kの人に3号液使い続けたら死んじゃうよ、ちゃっちゃと検査予定組まないとこの人いつまでも退院できないよ、っていう次元から始まった)
なんてことを考えた1日だった。





近況かれこれ お仕事編 [おしごと]

前回の投稿から2か月ほどになってしまいました。

・外科専門医予備試験の話
修練満4年になると受験資格が得られる試験(マークシート)に行ってきました。
世の中的夏休み終盤の日曜日、舞浜駅を最寄りとする某リゾートホテルに1000人余りの受験生が全国から集められ。
行きのシャトルバスは1~2割リゾートな人々、8割以上はどよーんとした30才前後の野郎ども。
風が吹けば電車が止まる京葉線沿い、ましてリゾート地が試験会場、12時試験開始というセンスを、少なからぬ受験生が恨んでいました。
でも、約4年ぶりに大学の同期のOくん、Oくん、Kさん、Tくん、Mくん、Yくんの姿を見たり話したりできて、そういう意味で楽しかった。
自分が外科医になったのを結構意外そうにされたり。
試験のできのほどは、、どうなんでしょう。。

・インフルエンザの話
うちの病院が発熱外来になったその夜、救急外来担当でした。
そのころは、フェイスシールドして、手袋して、タミフルの予防投薬を受けて、診察してました。
いまや発熱外来はなくなって一般の方と同じ診察順で診察、迅速診断キットでA型陽性と出て、保健所に電話をかけても「とくに流行している地域や学校でなければPCR(遺伝子レベルで新型かどうかを調べる検査)は不要です」と言われる。
マスクはしてるけど、フェイスシールドはしてない。もちろん手洗いはしてる。タミフルも飲んでない。確定診断に至らないまでも非常に疑わしい方々や、確定診断に至った方と接触してるし、もはやうつらないような気がして。

ある日、市医師会の理事でインフルエンザ担当の副院長大先生が、「今日付けで、インフルエンザの全数把握はしないことになりました」と。
現場で働いている下々の医者どもにはA陽性だからって全例PCRとってないことなんて数週間前から周知のことだったから、はぁ?って感じで。
沖縄で大流行っていうけど、都市部でもPCRで確定診断されてないだけの人がされてる人の数倍いるはずだし、報道の信憑性もどこまでやら。

常に最前線に放り込まれていて、まだ小さい子供を抱えているので、予防接種の優先順位は大変気になるところです。
一時は管理職にタミフルの予防投与は家族分もくれるのか、ってきいたぐらい。

・仕事の話
最近でこそそうでもなくなってきたけど、夏真っ盛りは消化器の病気がはやっていなかったせいか病棟がすいてしまって、いつになく食事介助が必要なレベルの方(内科)が増えてました。
はぁ、人の不幸の上に成り立ってる商売なんだなぁ、って、実感しました。
最近は良くも悪くも盛り返してきて、緊急手術が多い気がするなぁ。





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新型インフルエンザ [おしごと]

新型インフルエンザ、正直言ってあまり興味ありませんでした。
でも、実際発生してしまうと関心を持たざるを得ないというか、自分の役割を確認せざるを得ない。

海外渡航歴やら接触歴をきいて対応、ってことになってたけど、とうとう国内発生となるとそんな問診意味がない。
調べてみると、神戸の診療所(発熱外来ではない)の医師が、
渡航歴や接触歴はないけど、迅速診断キットでインフルエンザAだったから調べてみてほしい
って依頼を出したのが発覚の発端だそうで。
届け出義務があったわけではなく、自発的な検査依頼です。

今のところ報道は関西圏に限られていますが、ただ表ざたになっていないだけの例や、諸交通機関に乗って伝播する例が出てくるのは時間の問題です。
で、明日から発熱外来を持たない医療機関はどうしたらいいの?って厚生労働省やら自治体のウェブページを探してもいまいちはっきりしない。

> 3.国内発生が見られた後の医療について
> <医療機関への受診>
> ○第2段階(国内発生早期)からは、この時期最大の目標として軽症・重症を問わず、すべて検査を行い感染が強く疑われた例はすべて措置入院とし感染拡大しないようにする。同様に重症例の治療に全力を注ぐことが必要である。そのために、発熱や咳などのインフルエンザ様症状が見られた場合には、まず「発熱相談センター」に相談のうえ、「発熱外来」を受診する。
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/090516-02.html

これってインフルエンザ様症状が見られた場合はみんな断っていいよ、っていう意味?
片っ端から断ってたら間違いなく発熱外来はパンクだよ・・・?
疑い例も含めてみんな入院って、どこにそれだけの感染症用のベッドがあるの?


それから「診療拒否」についてもひとこと。
そもそも、医療機関の外来という場所自体が風邪やら胃腸炎やらの格好の伝染の場です。

医療スタッフは白衣をまとったサイボーグではなく、所詮ヒトです。
感染症がうつることだってもちろんあります。
今回の新型インフルエンザは致死率がそれほど高くないとされていますが、遺伝子の変異によっては強毒化することだってありえます。
自分がかかることによって、入院中の終末期の患者さんや、周術期の患者さんや、抗癌剤治療中の患者さんにまさに致命的なご迷惑をおかけしかねません。
健康な方にはイメージしがたいでしょうが、目の前で風邪の外来診療にあたっている医者は、ひとたび病棟に移ればこういう患者さんたちを相手にしているわけです。
自分の家族、まして小さな子どもにうつしてしまうわけにもいきません。
開業医であれば休業補償、風評に対する補償もしてほしいと思って当然でしょう。

医療機関側に過剰といえる対応があったのはおそらく事実なのでしょうが、患者側の苦情申し立てだけを頼りに医療機関たたきに奔走するのはぜひともやめていただきたい。






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急性硬膜外血腫! [おしごと]

ほぼ書きあがってたのに吹っ飛んでしまったので書き直し。
しばらく前の話です。

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ある日の一般外来(救急ではない)で。

2mの高さから転落、手足、首の痛み、嘔吐を訴えて、受傷2時間後に受診。
Ns.判断でストレッチャーに横になっている。
自己申告では頭は打っていない、意識消失もしていない。
診察時意識清明、体は打撲・捻挫程度で骨折を疑う所見はない。
身体を起こしてみるように促すと、吐き気に襲われる。
「こういうときには救急車呼んでいいんですよ」と言うと、「本人が嫌がったんですよ」と同伴者。
頭部CT、レントゲンをオーダーして、診察室に戻る。

次の患者さんの診察中、PHSが鳴った。
診察中なので無視してもしつこく鳴り続け、そして止んだ。
すると奥でNs.の「血腫だからすぐに連絡がほしいって」という声が!
思わず立ち上がってあたふたしてしまった。
ひとまず目の前にいる患者さんの方向性を決めて診察終了、CT室に駆け込んだ。

誰が見てもわかる、後頭蓋窩の硬膜外血腫。
ストレッチャーの帰る先を救急外来にして、担当Dr.に引き継ぎ、家族に簡単に病状説明した。

頭打ってないって言っても(ごく短時間の意識消失があったのかもしれない)、頭痛を訴えなくても、急性硬膜外血腫ってあるんだ!
起き上がってもらったときに急変でもしてたら医事紛争だったかも!
と震え上がってしまう一例でした。

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偶然にも同じ週の外科外来で。

昨晩けんかでボコボコに殴られて顔が腫れあがっている、鼻がカクカクする、と受診。
なんだかなぁ、、腫れてたって冷やすしかないじゃん、、、うーん、まぁ鼻腔のCT?、、
ついでだから頭まで入れとくか、、と鼻から頭の先までのCTをオーダー。

鼻はゆがんでるなぁ、ここ折れてそうだなぁ、、頭は流し読みでいいよね、、まぁそんなわけにもいかないからちゃんとみとくか・・・
ん?この頭頂部の微妙なiso~high densityはなに?
どうしようかと思案していたら放射線科のDr.からPHSに連絡があり、またもCT室に駆け込む。
技師さんも「条件変えたらくっきり見えますよ」と教えてくれた。
意識もしっかりしてるし、しっかり歩けてるし、あまり焦りはしなかったけど、急性硬膜下血腫疑いで脳神経外科にコンサルト。

偶然にもウォークインの頭蓋内出血が重なった週でした。





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