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18病院が受け入れ拒否 66歳男性死亡 兵庫・姫路 [時事ネタ]

肝臓に持病のある患者が意識がぼんやり、吐血
通報から1時間半後に心肺停止
「症状が重篤と判断したため、内科の救急対応ができる病院へ搬送してほしい、と要請した」

という状況からは食道静脈瘤破裂(または胃・十二指腸潰瘍出血)、ショック状態だったものと推測されます。
あくまで推測ですけど。
緊急内視鏡のできる消化器科医がたまたま当直していればいいけれど、
そうでなければ、生食か乳酸リンゲルを全開で点滴して、大量に輸血を緊急発注して、ハラハラしながら呼び出された内視鏡医の到着を待つ、あるいは転送先を探すほかない。
もしそういう救急車の要請を受けたら、「うちの病院にきてワンステップ踏むよりは、最初から適切な病院に行ってもらったほうがいいだろう」という判断がはたらきます。

・・そういう判断をはたらかせつつも、体制がなくてもとにかく早期に受け入れる必要がある事例だったわけですが。
「止血術できる医師は呼び出しで(例として)30分かかります。それまでに容体が悪化する可能性がありますが、それでもよければ受けます」っていう受け方になるのかなぁ。

なぜ日本の夜間救急はそんなに不甲斐ないんだ!というご指摘は・・・
過去に何度もご説明していますが、日本の医師は平日日中の通常勤務+夜間・休日の時間外労働という働き方をしています。
この勤務形態を見れば、平日日中と、それ以外の時間の医師体制はまったく別物であることがおのずとわかると思うのです。
おおもとのところでは、そういう体制を組まざるをえない医師数政策や、救急医療に十分なカネを払わない(来るか来ないかわからない患者のために医師、看護師、技師等の専門職、物品を配置し、非常事態に備えるのが救急医療です)医療費抑制政策こそが責めを負うべきと、我々は考えています。

それからマスコミ各社ですが、たらいまわしとか、拒否とか、病院の不作為を類推させる言語表現はいいかげんやめませんか。
専門的な技術を持つ医師がいないため他院が適切だと判断した病院、手術や救命措置に追われて断った病院は、たらいまわしたのですか?拒否したのですか?

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朝日新聞

18病院が受け入れ拒否 66歳男性死亡 兵庫・姫路
2007年12月06日20時53分

 兵庫県姫路市で6日未明、肝臓に持病がある男性(66)が吐血し、受け入れ先の病院を探したが、近隣の18病院に「専門の当直医がいない」などと拒否されていたことがわかった。男性は約2時間後、約30キロ離れた同県赤穂市の病院に搬送されたが、死亡が確認された。

 市消防局などによると、6日午前0時7分、姫路市の男性の家族から「意識がぼんやりしていて、吐血もした」と119番通報があった。救急車は3分後に男性宅に到着し、救急隊員が車内から姫路市、兵庫県高砂市、同県太子町の計18病院に受け入れを要請した。だが、拒否が続き、午前1時20分、19病院目の赤穂市民病院が応じた。男性は搬送中の同40分、容体が急変。心肺停止状態に陥り、午前2時17分に同市民病院で死亡が確認された。

 同市民病院は死因を明らかにしていないが、男性は肝臓が悪く、3年前まで通院していたという。

 病院側が断った理由は、「専門の当直医がいない」が11カ所、「ベッドが満床」が4カ所、「処置中」が3カ所だった。国立病院機構姫路医療センターは「症状が重篤と判断したため、内科の救急対応ができる病院へ搬送してほしい、と要請した」としている。

 姫路赤十字病院は脳外科医が当直で、「内科の先生がいる病院を」と回答。姫路聖マリア病院は夜間救急搬送先の輪番制で「内科・外科」の当番に当たっていたが、午前0時ごろから相次いで別の救急患者が搬送されるなど、医師7人全員が手術や救命措置にかかりきりになり、受け入れを断ったという。

 市消防局の浅見正・消防課長補佐は「救急隊員はみんな助けたいと思っていたので悔しい。全国的に医師不足が問題となる中、専門の当直医が減って受け入れを断られるケースが増えている。今回の事案を精査し、新たな犠牲者を出さないよう病院と協力する態勢を作りたい」と話した。

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産経新聞

18病院たらい回し…男性死亡 姫路
12月6日13時51分配信

 兵庫県姫路市の男性(66)が6日未明、吐血するなどして救急搬送された際、近隣の18病院が医師の不在などを理由に受け入れを拒んでいたことが分かった。男性は最終的に約30キロ離れた市外の病院に2時間近くかけて搬送されたが、途中で病状が悪化。搬送先の病院で死亡が確認された。市消防局は「最善を尽くしたが、いろいろな条件が重なり受け入れ先を見つけるのに時間がかかってしまった」としている。
 市消防局などによると、6日午前0時7分、男性の家族から「(男性の)意識がぼんやりしている。目がうつろで吐血した」と119番通報があり、救急隊が出動。受け入れ先の病院を探したが、姫路赤十字病院や国立病院機構姫路医療センターなど18の病院に「専門の医師がいない」「ベッドがない」などの理由で断られたという。
 男性は当初意識があったが、受け入れ先の赤穂市民病院に搬送される途中で心肺が停止。午前1時56分に同病院へ到着したが、同2時17分、死亡が確認された。
 救急搬送をめぐっては、昨年8月、奈良県大淀町の町立大淀病院で高崎実香さん=当時(32)=が分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、19病院に受け入れを断られた末、大阪府吹田市の搬送先の病院で後日、死亡。今年8月にも、同県橿原市内で体調不良となった妊婦(38)が11病院から受け入れを断られ、大阪府高槻市内の病院で死産が確認された。
 高崎さんの義父、憲治さん(53)は「救急医療をめぐる問題があると(関係者は)『二度とこういうことが繰り返されないように』と謝るが、何度も繰り返し起こってしまうことが残念でならない」と話している。


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