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時間外風邪外来、ときどき中等症~重症 [お医者のキモチ]

最近ほとんど寝られない当直の割合が増えました。
寝つきが悪くなったのも一因ではあるけど。
一時は夜中の受診がかなり減ってたのに、熱が出た、インフルエンザが心配、っていう患者が1時間おきにやってくる。
「救急」受診が必要とは思われず、特段の処置なく薬の処方だけというケースが多い。
Ns.が電話で通常診療の受診を促しても「うちの子が重症化したら責任とってくれるのか」ってすごんできたという一件でも至って元気なお子さん。
なんでこんなケロッとした人が夜中の1~5時に受診しなきゃいけないんだろ、って。
(夜中に眠れないから、その流れで明け方の受診は実はさらにつらい。
3秒前にカルテに書こうと思ったことが思い出せないぐらい頭が働かないから、むしろ医療事故が起きやすい時間帯といえる)
で、そういう方には「前々から症状があったのにこんな時間に受診しなければならない状況には見えない」「我々も、人間ですから昼間起きて夜は寝るんです」と率直に言うようにしています。

でも先日とうとうトラブルになってしまいました。
前日から熱が出て、既往症の再発が心配だから予防薬がほしいとAM3:30に受診した元気な患者さん。
家族がどなりこんでいらした。
不愉快な思いをさせたことに対しては謝罪した。
こちらが説明する間もなく話し続け、最後には「あなたもこういう仕事だという覚悟でこの仕事を選んだのでしょう、嫌ならやめなさい」まで言われてしまいました。

「当直なんて嫌いだからむしろこちらからやめるって言いたいぐらいです」って瞬時に思ったけど、今この場で波風を立てるのは得策ではないと思いとどまって、やめた。
反発を招くようなことを言ったら余計にお説教をくらい、睡眠時間が削られ、翌日の診療に支障をきたす。

救急外来が「時間外風邪外来、ときどき中等症~重症もくるけどね」という場所だなんて、これっぽちも「覚悟」してなかった。
眠気が吹き飛ぶほどの切迫した状態で受け入れなければならないような救急患者なんて、しがない二次救急病院には一晩に一人来るかどうか。
喘息発作、脱水など、入院には至らないまでも医学的に早めの受診が必要な方を拒む気はさらさらないけれど。
社会貢献、会社への貢献(私ひとり抜けたら他のDr.の負担が増える)と思って自分の健康を害し、家族と一緒の心地よい眠りを我慢している。
嫌いだけど、地域のため、同僚のため。

数十万都市にありながら、近隣自治体まで含めても数えるほどしかなくなった24時間365日子どもを診る病院。
何と言われようとも、この地域の医療を守りたいなら軽症患者は常識的な時間に来院しろ、という思いに変わりはない。

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再掲みたいなものですが、前提条件。

一般的な医師は平日の日中毎日出勤しています。
夜間・休日はそれにプラスで働いている時間です。
つまり当直の日は日中はたらいて、そのまま当直(実体としては夜勤)勤務して、そのまま翌日の勤務に入ります。

二次救急とは、入院または手術を要するレベルの救急を指します。





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