SSブログ

療養病床の半数、「存続の意向」…国は6割削減方針 [時事ネタ]

久々の更新。
うーん、病院に移って忙しくなったのもあるにせよ、ただ面倒だっただけですけど。
今日はSo-netのニュースの「このニュースを元にブログを書く」を使うことにしました。

----------------------------------------------------------------------------

社会的入院の解消策として、国が6割削減の方針を打ち出している療養病床について、療養病床として存続させたいとしている医療機関が病床数ベースで全体の半数に上ることが、厚生労働省の調査で明らかになった。
 未定も3割に上り、同省が削減のめどとしている5年後に向け、模様眺めの医療機関が多い実態も明らかになった。
 調査は、療養病床を持つ全6362医療機関を対象に、昨年10月1日時点の状況について実施。5930機関から回答を得た。
- 読売新聞

----------------------------------------------------------------------------

まず前提条件として、急性疾患を扱う病院は、患者さんが長期に入院するほど診療報酬が減らされるようになっています(病院の責任ではなく、政策です)。
ですので、急性期治療が終わりしだい、患者さんにはできるだけ早期に退院していただくことが病院の経営上要求されます(相次ぐ診療報酬のカットで、なんとか利益を出さないと病院がつぶれます)。

病院に入院された方が退院される経路にはいくつかありますが、大きく分けて
・自宅
・病院
・老人ホーム
・その他のグループホーム
といったところかと思います。

重度認知症や障害のない方など、本人・家族が生活上の支障をきたしていない場合と、訪問看護やホームヘルパーを活用しつつ家族の協力で一般的な意味での介護、必要に応じて認知症への対応(進行の度合いによっては昼夜ともに目が放せない状態になります)、在宅中心静脈栄養(点滴で栄養分を入れる)や胃瘻(お腹から胃に直接管を通して栄養を入れる)の管理、在宅酸素療法の管理などをしていただける場合には、自宅退院が可能になります。

その他の場合、言うなれば、「うちではみられません」と家族がおっしゃる場合、自宅以外の病院・施設を検討することになります。
医療依存度の高い順に、
・療養型の病院
・老人保健施設(老健)
・特別養護老人ホーム(特養)
があります。

急性期治療を終えて急性期病院に入院継続する必要はないが、在宅中心静脈栄養がある方、生活上の管理ができないと容易に病状が悪化する病態の方などは、医療依存度が高いため、上の記事で取り上げられた「療養病床」に退院していただくことになります。
老健や特養は「そんな人うちじゃ見られません」なのです。
診療・介護報酬(国が定めている)に見合わないし、そもそも病院並みの医学的管理をする前提でスタッフを揃えていないからです。

で、この療養病床が6割減ると何が起きるか。
介護難民の大発生ですよ。
自宅じゃみられません、でも老健も受けてくれません、急性期病院においといてくれませんか、となるか、半ば強制的に追い出されるかではないでしょうか。

http://www.so-net.ne.jp/news/cgi-bin/article.cgi?gid=mai&aid=20070307i116



nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 1

コメント 2

もん

実家の祖母は10年の自宅介護を経て、ようやく受け入れてもらえる施設を見つけました。病院にも迷惑を掛けた患者ではありましたが、看護師さんたちも祖母だけを看切れないので、毎日食事補助と床ずれ防止をしに行く(糖尿の合併症による壊疽とシモの不具合、最終的には脳溢血による痴呆進行と半身不随)母親と、洗濯物の交換、そして、これ以上は預かれないから何処か他を・・のコールの末のことでありました。
by もん (2007-03-10 15:46) 

side_B

大変な思いをされていることでしょうね。

介護の場は、自宅へ自宅へと政策的に誘導されています。
在宅医療の診療報酬をあげたり、退院先の受け皿をろくに作りもせずに急性期病院の長期入院や療養型の診療報酬をさげたり。
(それでいて、7:1看護基準導入で急性期病院に働き手を奪われた訪問看護ステーションが立ち行かなくなるというお粗末な事態になっています。)

すべては医療・福祉でお金を削れるところがないか、という視点で政策が動いているからです。
最近のニュースでいうリハビリ日数の上限見直しもしかり。
ふたを開ける前からわかりきったことだったんです。

話を戻して、介護の場を自宅に戻そうにも、家族がみな働きに出てしまうため日中独居になってしまう方が少なからずいます。
仕事をやめて介護に専念する経済的余裕のない方だっているんです。
そういう視点が、ない。
by side_B (2007-03-13 21:45) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

見上げてごらん夜の星を日記 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。